千葉市、四街道市にお住いの皆さま、ブログを楽しみにしてくださっている皆さま、こんにちは。
わんちゃんは子犬の時も愛らしいですが、年を重ねてもかわいいですよね。
本日は、いつかは訪れるシニア期について少しお話しをしたいと思います。
そもそもシニア期って何歳から?
シニア期って何歳から?という質問は良く受けますが、一概にお答えすることは出来ません。
「動物種は(犬 or 猫)?」 「小型犬 or 大型犬?」 などによって異なってくるかと思います。
ある資料には「超大型犬:7歳以上、中型犬:9歳以上、小型・超小型犬:10歳以上、猫:10歳以上」と記載がありますが、私たちの感覚でも大体そのくらいなのかな、と思います。
そして今や動物病院を受診する約半数は、シニア世代の子達となっています。
今や世の中の主流となりつつあるシニア世代。
では、シニア期になると犬・猫の身体にはどういった変化が起こってくるのでしょうか?
【老化】とは?
まずは、人での老化の定義を確認してみましょう。
「人が成熟したあと、年を重ねていくにつれて全体的な衰退を示すことを老化と呼ぶ。老化は心身の生理的機能が不可逆的(戻ることのない)に低下する過程であり、身体組織の細胞数の減少、臓器の萎縮などを伴っている」
とあります。
人でも動物でも大きな違いはありません。
そのため、シニア期には年齢の経過とともに様々な老化を伴った変化が起きてきます。
ここからはシニア期によくみられる症状をいくつかご紹介したいと思います。
① トイレや食事の際に足が踏ん張れなくなる
四肢の筋力の衰えに伴い足の踏ん張りが効きづらくなり、食事や排泄の際にうまく踏ん張れなくなり尻もちや頭から転倒することがあります。
② ご飯を食べる量が減った、食べたがらない
筋力の衰えは舌や顎にも現れます。舌の筋力が衰えることでうまくフードがすくい取れなくなり残してしまったり、顎の筋力の衰えにより今まで食べれていた硬いフードがうまく噛めなくなったり、結果としてご飯を食べる量が減ったように感じます。
③ 寝る時間が増えた
一日を通じて寝ている時間が増えます。聴覚・嗅覚の衰えにより外界の刺激を感じにくくなるため、飼い主様の帰宅時や来客時のインターホンに気付かないことが増えます。
睡眠時間の増加はとても顕著に飼い主様が愛犬愛猫の老化を感じるきっかけとなるのではないでしょうか。
④ 物にぶつかるようになる
視力や認知機能が低下し、今まで避けられていた家具や窓等にぶつかりやすくなります。
⑤ トイレを失敗する
今までトイレシートでしていた子が違う場所で排泄をしてしまったり、外で排泄が出来ていた子が室内でしてしまったりと、トイレの失敗が増えます。
トイレの位置が認識できなくなってしまうことや、膀胱・肛門括約筋が緩くなってしまい我慢が出来なくなってしまうことで起こります。
以上にシニア期によく見られる症状をまとめましたが、実はこういった症状の中には病気が隠れていることがあります。
例えば、
トイレを失敗することが増えた子の場合
「膀胱炎」によりトイレが我慢できなくなっていることがあります。
また、
硬いものを食べずらそうにする子の場合、
「歯周炎」や「口内の腫瘍」が発見されることも多いです。
そのため、老化と病気を完全に分けて考えることは難しいと言えるでしょう。
よって、一概に歳だから、、、と考えてしまうのは、大きな病気を見逃してしまうきっかけとなることもございます。
ぜひ、歳だから、、と一色単に考えず、まずはかかりつけ医に相談してみてください!
そのため、私たちから飼い主様へ強くお願いしたいのは、、、
① かかりつけ医を作りましょう
いつもと違う行動や気になる事、何かあったときにはすぐに相談できるかかりつけ医がいることは非常に大切です。
普段診ている動物病院だからこそ気付けることがあるはずです。
② 定期的な健康診断を若いうちからしておこう
正常な時を知っておくことは非常に重要なことです。
正常の範囲内でも実は元気な時の4倍の数値だった!や、以上数値として結果が返ってきたけど元気な時からずっとそうだった!なんてことは沢山あります。
あくまで血液検査の値は平均値であり、その子その子での正常値は様々です。
定期的な健康診断を受けて、元気な時の正常値を知っておきましょう。
③ 沢山動画や写真を残しましょう
動画や写真は些細な変化に気付くきっかけとなります。
普段から可愛いわが子の写真はたくさん撮って残してあげてください。
いかがでしたか?
ご自宅の子のシニア期について考えるきっかけとなれば幸いです。
当院においても、春と秋の年二回の健診や、ペットドック等を常に行っております。
シニア期の体調変化においてもご相談を受け付けておりますので何かあればお気軽にご相談ください。