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泌尿器疾患について ~膀胱結石~

2023.6.28
症例紹介

前回は膀胱炎の症状についてお話ししました。

今回は膀胱炎の原因の一つである膀胱結晶/結石についてお話しします。

おしっこが出づらそう…

こんな症状があると、結石や結晶でおしっこの通り道が詰まる「尿路閉塞」を疑います。

また膀胱内に結石がある場合は、膀胱の内側が傷つき膀胱炎症状が現れることがあります。

全く出ない状態が数日続いてしまえば、膀胱破裂の恐れがある危険な症状です。

おかしいと思ったら早めに受診し、尿検査で結晶の種類を特定しましょう。

(自宅で出来る採尿方法については6/9のブログ~膀胱炎かなと思ったら~をご覧ください)

 

結石とは?

一般的に多いのはストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の2種類です。

 

主要の膀胱結石です。尿の細菌感染などで尿がアルカリ性になると発生しやすいと言われています。

療法食によって尿をアルカリ性から酸性にすることで溶ける可能性があります。

また感染があれば、抗生剤によって感染を治療することも重要です。

 

シュウ酸カルシウム結石は、尿が酸性になると発生しやすいと言われています。

ストルバイトと異なり、出来てしまった結晶/結石は療法食で溶かすことが出来ません。

溶かすことは出来なくても、結晶の更なる産生を防ぐために療法食への切り替えが大切です。

水分をたくさんとって排泄で洗い流す・大きな結石は外科的に取り除くことが治療になります。

外科適応になった症例紹介

シュウ酸カルシウム結石を外科的に摘出した症例を紹介します。

6歳 犬 避妊雌

血尿を慢性的に繰り返していました。

尿検査にて、シュウ酸カルシウム結晶(画面中央の正8面体)がありました。

超音波検査で膀胱に結石がみつかりました。

レントゲン写真でも同様に、膀胱内の結石が映っています。5個以上はありそうです…

繰り返す膀胱炎症状の原因を取り除くため、膀胱切開術を行いました。

名前の通り、膀胱を切開して結石を直接取り除きます。また尿道に結晶のつまりが無いように、生理食塩水で洗浄を行いました。

手術後は問題なく排尿が出来るかどうかをチェックします。

実際に取り出したシュウ酸カルシウム結石です。

退院後も、結石の再発が無いように療法食の継続・定期的な尿検査が必要です。

いつでも新鮮な水を飲めるようにすることも大切です!

~まとめ~ おしっこの様子が変だと思ったら尿検査を!水をいっぱい飲んで予防しましょう!

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