千葉市・四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。
今回のテーマは、前回に引き続き夏によく見られる皮膚病について、です。
夏になるとジメジメしてきて雑菌やカビが繁殖しやすくなりますが、それは動物の皮膚でも同じです!
夏場になると細菌やカビ(真菌)が関わる皮膚病が本当に多くなります。
では、
・細菌やカビっていったい何なのでしょうか?
・検査でどんなことが分かるのでしょうか?
・治療はどうしたら良いの?
詳しく説明していきたいと思います!
マラセチア
みなさん、マラセチアって聞いたことありますか?
マラセチアとは、イヌやネコだけでなくヒトにも存在する常在菌です。
今から写真をお見せしますので、マラセチアがどこにいるのか探してみてください。
マラセチア、分かりますか?
どうでしょうか?
これをさらに拡大すると…
紫色に染まったボウリングのピンの様なものがマラセチアです。マラセチアの一つに白矢印をつけました。
これがマラセチアです!
よく見てみると、たくさんのマラセチアが見えているのが分かるのではないかと思います。
マラセチアは、先ほどお話しした通り正常な皮膚にも存在する常在菌ですが、数が異常に増えてしまうと皮膚病の原因となってしまいます。
マラセチアは脂質(あぶら)を餌にしており、ジメジメとしたところが大好き!
そのため、夏場に繁殖しやすく、皮膚病の原因となる代表選手です。
手足や首、股など皺(しわ)になりやすいところでは特に繁殖しやすいので、夏場はとくに清潔に保つようにしましょう。
また、元々脂っぽい皮膚をしているワンちゃんは要注意です!
治療は薬用シャンプーや消毒、抗真菌剤の投薬などを行います。
皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)
つづいてもカビが引き起こす皮膚病についてです。
皮膚糸状菌はワンちゃんやネコちゃんの皮膚に寄生し、脱毛を起こすカビです。
この皮膚病の特徴は痒みが出ない事!
痒がっていないのに身体に円形の脱毛が…という時は要注意です。
*細菌性皮膚炎など、他の感染症が併発している場合は痒みが出ることもあります。
この病気の代表的な検査方法はカビの培養です。
特殊な培地に脱毛した毛を入れて、色の変化をみます。
治療は消毒・外用薬の塗布・内服薬の投与などが一般的です。
右側が検査前の培地、左側が皮膚糸状菌の生えた培地です。2週間培養し、色の変化を判定します。
細菌
最後は細菌性皮膚炎についてです。
代表的なものはブドウ球菌と呼ばれる常在菌です。
白色や黄色っぽいフケが出たり、脱毛がおきたり、湿疹が出来たり、皮膚に赤味が出たりなど症状は様々です。
症状から判断することも多いですが、皮膚の表面に好中球と呼ばれる細胞が見られたときは強く疑います。
治療はシャンプーや消毒、内服薬の投与を行います。
小さい粒粒の1つ1つが好中球です。糸を引いたように見えるところは細菌と戦って壊れた好中球(膿)です。
さいごに
今回は夏によく見られる皮膚病を、病原体の説明から詳しく見てもらいました。
これらの感染症の予防で大事なことは「皮膚を清潔に保つこと」です!
また、皮膚が元々弱い子は特に症状が出やすいので注意しましょう。
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