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犬の子宮蓄膿症 ~発情の仕組み編~

2023.8.14
症例紹介

子宮蓄膿症って?

子宮蓄膿症とは、子宮の中に大腸菌やプロテウス属菌といった腸内細菌による感染がおこることで膿汁が貯留してしまう疾患の名称です。

避妊手術を行っていない中高齢の雌犬ではしばしば出会う病気で、激しい細菌感染による食欲不振、元気消失、発熱を伴い敗血症や子宮破裂になれば命に関わる恐ろしい病気です。

どうして病気になるの?

子宮蓄膿症は犬の発情期の特徴と大いに関係があります。

犬の発情は、個体差はありますが性成熟期となる生後6カ月から~1歳あたりで始まり、1年で2回やってきます。

犬は人やほかの動物と異なり、黄体期が非常に長いことが特徴です。

発情後の黄体期(妊娠維持期)にはプロジェステロンと呼ばれる黄体ホルモンが分泌されています。たとえ妊娠していなくても分泌が続いており、この間の子宮内は細菌が侵入すれば感染を成立しやすい環境になっています。

つまり子宮蓄膿症は発情後1~2カ月で発症することがほとんどです。

反対に、黄体期以外で子宮に細菌が入ってしまっても感染が成立する可能性は非常に低く、飼い主様が発情周期を理解し、いつ発情が来たか管理することも重要になります。

お家でわんちゃんの発情周期を判別してみましょう!

発情ホルモン(エストロジェン)が分泌されて外陰部が腫大し、子宮内膜の充血による出血が多くなってきます。

落ち着きがない・元気食欲の低下・外陰部をしきりに舐めるといった症状が出ることがあります。

陰部が最も腫大した時に排卵します。(外見での判断には慣れが必要です)犬の卵子は排卵の時点では未成熟で、2日かけて成熟卵になります。

 

1週間ほどの発情期であり交配適期です。前述した通り、排卵後2日での交配がベストです。

 

2カ月続く黄体期(妊娠維持期)です。子宮蓄膿症の危険がある時期です。

犬は妊娠の有無に関係なく、黄体ホルモン(プロジェステロン)が同量・同期間分泌されます。まれに母乳がでる偽妊娠をする時期でもありますが、避妊率が高くなってきた近年では見かけることが少なくなりました。

発情後期後半では黄体ホルモンの下降刺激により、下垂体前葉からプロラクチンというホルモンが分泌されます。これにより乳腺の発達し乳汁が分泌されます。

 

 

・発情が終わったはずなのに陰部から膿が出ていたり出血していたりする

・腹部膨満がある、元気食欲の低下

・嘔吐や飲水量が増えた・・・

このような症状があれば速やかに動物病院を受診しましょう。ただし、子宮蓄膿症であっても比較的元気な子、膿が出てこない子もいるので注意が必要です。

 

いつもの発情のようすと違ったことがあれば気付けるように、今回は発情周期についてのご説明でした。

次回は、子宮蓄膿症の診断と治療についてお話します。

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