千葉市、四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。
動物愛護管理法では9月20日から9月26日までの一週間を『動物愛護週間』と定めています。
このブログの執筆・投稿がちょうどこの期間中になるので、今回は『動物愛護』にちなんだ内容を・・・と思っていたところ、つい先日、保護された子猫ちゃんを家族に迎えることになりました。
そこで今回は
■近年注目のマイクロチップについて知ろう!
■わが家に子猫がやって来た!
と二つの内容を書きたいと思います!最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
近年注目のマイクロチップについて知ろう!
飼い主の責任「所有の明示措置」について
「所有の明示措置」・・・いかにも難しそうな文言ですよね。
まずはこれについて簡単に説明します。
「所有の明示措置」とは、動物愛護管理法で定めている所有者の責任の一つで、
動物の遺棄や逸走の未然防止を図るため、首輪やマイクロチップなどにより所有の明示措置に努めること
つまり、何かしらの個体識別方法によりペットの所有者がご自身であることをわかるようにしておきましょう、ということです。
その目的の一つとして
ペットが迷子になった際に、誰が所有している動物なのか客観的に判断しやすい
ということがあります。
当然ですが動物は言葉が話せませんから、飼い主さん以外の人でも判断できるようにしておくことは大切ですね。
首輪が目印!(飼い主さま提供お写真:こたろうちゃん)
ペットの個体識別とは
多くの動物に関する法令において個体識別に関する規定があるのですが、
ペットとして犬や猫を一般家庭で飼育している場合には個体識別を行わなかったとしても罰せられるわけではありません。
販売業者でない一般の所有者については努力義務とされているからです。
しかし前述のとおり大切なペットが迷子になったとき、
特に自然災害などで飼い主さんと離ればなれになってしまったときには、大切な家族をつなぐのに重要な役割を果たすと考えらえます。
個体識別方法~首輪・名札・迷子札~
個体識別の方法はいくつかありますが、それぞれに長所短所があります。
まず一般的な「首輪・名札(迷子札)」について
長所:
飼い主自身の手で手軽に装着ができ、デザインもおしゃれでかわいらしいものが多く、商品によっては記載する情報量が多いのも良いですね。
それから、一目で「誰かに所有されている犬(猫)だ」と気づいてもらえます。
短所:
破損したり外れたり、時間が経つと記載情報が消えてしまう可能性があります。
また、所有者の個人情報を記載することによるリスクがあり、偽情報を記載したものに付け替えられてしまうこともあり得ます。
名札で個体識別!(飼い主さま提供お写真:ひなたちゃん)
個体識別方法~マイクロチップ~
次に、近年注目されている「マイクロチップ」についてですが、そもそも「マイクロチップって何?」という方もいらっしゃるかもしれません。
それぞれに固有の15桁の個体識別番号が記録されていて、これを動物の体内に埋め込みます。
(犬や猫では、一般的に首の後ろのあたり)
長所:
一度装着されると外れたり破損したりすることはほとんどなく、あとで別の偽物に付け替えることもほぼ不可能と言われています。
短所:
埋め込み時に痛みがあるのではないかという不安や、数千円の費用負担などにより、飼い主さんにとっては簡単に決断しづらいのではないでしょうか。
首輪などと違って装着していることが一目でわからず、専用のリーダーで番号を読み取る必要があります。
当院では、米国AVID社の「マイクロチップⅡ」を使用しております。
世界基準に則ったマイクロチップ。この注入器の中にマイクロチップが入っていて、これを使って体内に埋め込む。
マイクロチップは装着するだけでは意味がない!
よく「マイクロチップにはGPS機能がある」と思われる方がいらっしゃいますが、GPS機能はありません。
飼い主自らが、はぐれてしまったワンちゃん・ネコちゃんを探すにはあまり有効ではないのです。
「それでは装着する意味がないじゃないか!」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、意味を持たせるためには所有者である飼い主さんによる『データベースへの登録』が必要なのです。
愛犬・愛猫に埋め込んだマイクロチップの番号は、世界で唯一のものです。
その番号と所有者である自分の情報を紐づける作業が『データベースへの登録』となり、この作業を経て初めて「この番号の動物の所有者は誰か」がほかの人でもわかるようになるのです。
はぐれた愛犬・愛猫と再会するには
マイクロチップが装着されている迷い犬・迷い猫が保護された際、所有者の元に戻るにはいくつかのポイントがあります。
①データベースへの登録ができていること
所有者の住所や電話番号などの登録情報を最新のものにしておきましょう。
②マイクロチップの個体識別番号を読み取ってもらうこと
体内に埋め込むため、外から見て番号を確認することができません。
迷い犬・迷い猫として保護されたら、専用のリーダー番号を読み取ってもらう必要があります。
③②で読み取られた番号を①の情報と照合⇒ようやく所有者が判明
行政機関や警察署、検索権限のある獣医師がいる一部の動物病院等で照合してもらうことができます。
たとえはぐれてしまっても、安全に保護されればマイクロチップ装着によりご家族の元に帰ってくる可能性は高くなると考えられます。
努力義務とはいえ、まだ装着をしていらっしゃらない方は装着をご検討してみても良いかもしれません。
わが家に子猫がやって来た!
保護された子猫ちゃん
「子猫がいるんですよ」
その日、マネージャーである私が院内に顔を出すと、崇先生が言いました。
「子猫!?」
小さなダンボール箱の中を見ると、小さくてふわふわした猫ちゃんが。
聞いてみると、ある看護師のご家族が外で子猫を見つけ保護されたそうで、その看護師が引き受けて出勤時に連れてきたそうです。
まだ180グラムほど、生後10日くらいでしょうか・・・。(あくまで推定です)
まだ自分で食事も排泄もできない状態なので、保護したあとのお世話が非常に大変な段階です。
さてどうするか。
譲渡できる状態まで従業員持ち回りでお世話をして、里親探しをするか。
しかし、あと2週間近くは夜中もお世話が必要な状態なので、誰にとっても負担なはず。
いろいろな考えが一瞬で頭の中をめぐり、
わが家で見よう、というか、わが家に迎えよう、と考えました。
動物愛護週間に出会った小さないのちに「縁を感じた」というのもあります。
小さな、新しい家族
その夜自宅に連れて帰り、子どもたちに新しい家族の説明。
・ノミ・ダニが付いているかもしれないので、当面触らないでね。
・触ったときは当然、近づいて見たり箱を触ったりした場合も、手を洗おう。
・病気(猫白血病や猫エイズ)に感染しているかもしれないから、しばらくは先住猫ちゃんと一緒にできないよ。
・しばらくはミルクやトイレのお世話で忙しいから、できることは自分でやろうね。(切実)
そして、ご対面。
それから、命名。「牛乳ちゃん」になりました。
その日も翌日も、度々忍び足でダンボール箱に近寄り、箱をそうっと開けて牛乳ちゃんの眠っている様子を眺める子どもたち。
先住猫ちゃんは、初日こそ「何かが来た!」と緊張して、じいっと牛乳ちゃんのダンボールのほうを凝視していましたが、翌日には慣れた様子。
早く二頭一緒に遊べるようにならないかな~と、だいぶ先のことを考えながら、4時間おきにせっせとミルクをやって排泄の介助をするのでした。
これからも定期的に牛乳ちゃんの成長記録をブログに書こうと思います。
読んでいただけると嬉しいです。
一生懸命ミルクを飲む牛乳ちゃん