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犬の交配、人工授精について

2023.10.8
症例紹介

病気の予防として避妊・去勢手術が一般化し、実際に生殖器関連の病気が減っているのが現状です。

それに伴い、自宅でわんちゃんを繁殖させている方に出会う機会も少なくなってきました。

今回は交配や人工授精の知識についてお話ししていきます。

雄犬の交配

雄犬の生殖器には①陰茎骨がある②亀頭球があるのが特徴です。

①雌犬と交配する際、不完全勃起の状態で膣内に挿入します。その時に陰茎骨が必要です。

②挿入後に完全勃起となります。その際ペニス基部の亀頭球が膨らむことで抜けないようになります。

(これをコイタルロックと言います。)

犬の精液は3分画に分かれています。精子が混入しているのは第2液のみです。

第1液と第2液が各々1 ml程、第3液が約10 mlです。犬の射精は長ければ10分近くに及びます。なので交配は10分以上かかることになります。

 

交配時期が適切であること、精液量に関係なく2億程度の正常な精子数があれば妊娠は得られるはずです。

(余談ですがヤギの精子数は犬の10倍あるので、精子が泳いでいるのが肉眼でも確認できます。)

【人工授精】

人工授精の場合は先述したコイタルロックがありません。内圧を上げるかわりに逆立ちを10分程度させて精子が卵子に到達するのを助けます。

雄犬でも精子数(量)、活力、生存率、奇形率などを確認し受精能力を判断することが望まれますが、これには器材・技術が必要で一般的には難しいものになります。

雌犬の交配

雌犬は妊娠できる状態にならなければ雄を受け入れません。

以前ブログでお話しした発情期の様子(陰部の状態・雄の許容の有無)だけでは交配適期の鑑別としては弱いので、簡単な方法として

①膣スメア(膣粘膜の細胞)の変化で発情時期を確認

②プロジェステロン(妊娠維持ホルモン)の値を測定

③プロジェステロンに反応する交配適期鑑別キットを用いる

これらによって受精率を上げる努力をしていきます。

ちなみに他の動物では…

猫の場合

繁殖季節が存在し、春先から夏終わり~秋口まで発情を繰り返します。これには季節による日照時間が関係し、脳にある松果体という部分が光周期を感じ取って発現します。

現在のように夜でも明るい生活を送っていれば、冬でも発情することがあります。

さらに、猫は交尾排卵動物といい交尾をしなければ排卵することはありません。フェレットも猫と同様に交尾排卵動物です。

さいごに…

雄で精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、前立腺肥大など

雌で卵巣子宮疾患、乳腺腫瘍の予防など、避妊去勢手術で多くの病気を予防することが出来ます。

反対に麻酔のリスクやホルモンバランスの影響による被毛の変化、非常にまれですが術後の尿漏れなど、手術にはデメリットがあることも事実です。手術をすればもちろん妊娠出産は出来なくなります。

 

交配を行うこと、病気の予防には多くの知識が必要です。

もしわんちゃんの子供を希望されているのであれば、獣医さんに相談してはいかがでしょうか?

可愛い二世の誕生と病気の予防の手助けが出来ればと思います。

 

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