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誤食について

2023.11.8
症例紹介

猫にも起こりますが、特に犬で多いのが誤食です。様々なものを飲み込んでしまいます。

こんなものをどうしてと思うことも度々あります。

 

来院前にいったん考えて頂きたいのは「本当に異物を飲み込んでしまったのか」ということです。

目の前で飲み込んでいれば確実なのですが、病院に来て体の中に異物が見つからず、帰宅後家の中で見つかったケースも少なくありません。一度検査を受ける前に、無くなったものは本当に飲み込んだのか確認していただけると幸いです。

 

では、本当に飲み込んでしまったらどのような検査・処置を行うかお話ししていきます。

検査について

異物がどんなものだったか、同じものがお手元にあれば持ってきていただけると検査がスムーズです。

・触診

お腹を触って異物感が無いか確認します。大きいものであれば触れることがあります。

・レントゲン検査

金属製の異物であればほぼ確実に発見できます。金属じゃなくても写ることがあるので、確認の為に持参いただいたものを一緒に撮影することがあります。

・超音波検査

腸のつまり具合を見たり、異物が超音波を遮る素材であれば確認することが出来ます。

 

確認出来たらどうやって異物を出すか、方法を検討していきます。

これら検査でも見つからない場合、出るとは限りませんが催吐処置を行うか、症状が出なければ様子を見ていくかの選択になります。食べても排泄されれば便から出ますので排便のチェック、また再度異物が外で見つからないか調べて頂くことになります。

レントゲン検査で、胃の中に金属の物質が2個あることがわかります

異物の摘出方法

【催吐処置】

嘔吐を促進する薬を使って吐かせる処置です。

薬を飲ませる方法・血管に注射する方法がありますが、麻酔をかけず来院されてすぐ行うことが出来ます。

また、吐くことが出来るのは「胃に入っている状態」の時なので、誤食してから何時間も経過していると難しいことが多いです。

ここで吐かせることが出来なければ、麻酔をかけた処置になります。

 

【内視鏡・胃切開/腸切開】

異物を吐かせることが出来ない場合麻酔をかけて内視鏡や、開腹による胃切開/腸切開を行うことが必要になります。

異物が腸に詰まる「腸閉塞」では非常に危険な状態となりますので早期の開腹手術が必要です。

腸閉塞では、

といった症状が現れます。その場合はすぐに受診してください。

どんなものでも異物になり得ます。例えば…

【果実の種/どんぐり】

たくさん食べた、大きい種を食べた場合腸閉塞になりやすいです。

また、種に毒性がある場合もあるので注意が必要です。

【釣り糸】

釣り糸、釣り針を飲み込むケースもあります。釣り針には「かえし」が付いてますので、取りにくいこともあります。

口から釣り糸が出ていて慌てた飼い主様が切ってしまうことがありますが、釣り針を取るためには長いまま残して頂いた方が処置がしやすくなります。

【ひも状の異物】

ひも状の異物は腸に詰まると、腸をたぐり寄せて縮めてしまい腸粘膜をひどく傷つけることがあります(腸重積/腸壊死)

腸を大きく切除・繋ぎなおす手術が必要となり、腸切開よりも大規模な手術になります。

入院も長くなりますし、その子の今後の生活の質を落としてしまう可能性もあります。

特にひもで遊ぶのが好きな猫ちゃんに多いです!猫の飼い主様は気を付けましょう。

最後に

などなど気を付けることはたくさんあります。また、

好奇心旺盛な子犬・子猫の時期

減量中/絶食中や、痩せていてお腹がすいている子

一度何らかの誤食をしたことがある子

このような場合は誤食の再発が多いです。

 

飼い主様の注意が最も大事な予防です!

 

 

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