チェリーアイとは
犬猫の目には上下の瞼に加えて3枚目の瞼があります。眠っている時にこの膜が白目のように見えることがあるかもしれません。これを瞬膜(第3眼瞼)と呼びます。
チェリーアイとは、瞬膜が腫れることによって眼瞼内に収まることが出来なくなり、露出してしまう状態をいいます。瞬膜突出、逸脱、脱出などいろいろな呼び方で表現しますが、いずれも瞬膜が出てしまったことを表します。
赤く膨らんで飛び出るので、それがサクランボに見えることから名付けられたようですが到底サクランボには見えません…
チェリーアイはどんな犬種にも起こり得ます。コッカースパニエル、フレンチやイングリッシュブルドッグ、大学時代は研究室にビーグルがたくさんいましたがその中でも時々発症していました。
年齢的には若齢で起こることが多いと言えます。
治療は?
内科的には、赤く腫れているので抗生剤・消炎剤の点眼剤を使用しますが、なかなか良くならないことが多いです。
結果、治療には外科手術が適応になります。全身麻酔によって飛び出た瞬膜を収める手術を行います。
昔は突出した部分を切除することもありました。しかしながら、瞬膜に含まれる瞬膜腺は涙液の産生も担っているためドライアイを引き起こしてしまう可能性があります。近年においては瞬膜の切りっぱなしという手術はほとんど行われてないと思います。
瞬膜の中にはT字状の軟骨があり、それを切除することで収納されやすくなるという清書もありましたが、これは治療として芳しくありませんでした。
現在では以下の二つの手技を取ることが多いでしょう。
- 埋没(ポケット)法:瞬膜腺を包み込むように縫縮、埋没し減容積させることによって眼瞼内に戻します。比較的簡単なので、第一選択を取ることが多い手技です。
- アンカー法:飛び出た瞬膜に眼下の筋肉から糸をかけ、内側へ引っ張り込むことで脱出を防ぎます。
再発症例やブルドッグのような大きな子には両方の手技を併用することもあります。
再発することが多い病気ですが、眼瞼内に収めてしまえば時間と共に腫れは引き正常に戻ります。
予防は?
チェリーアイになる原因ははっきりしていません。
常に目の周りを清潔にして、目ヤニが出ている子などは早めに治療してあげるのが良いでしょう。