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犬の三尖弁閉鎖不全症とは?|原因や症状をわかりやすく解説。

2023.11.28
ブログ

千葉市、四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。
これまでも循環器疾患についてブログを書いてきましたが、今回は三尖弁閉鎖不全症を取り上げてみます。


三尖弁閉鎖不全症とは、心臓にある三尖弁という逆流防止弁がうまく閉まらなくなることで血液の逆流が起こってしまう状態を言います。

今回のブログでは、正常な心臓の構造の説明とともに、「三尖弁とは何なのか」「三尖弁閉鎖不全症を引き起こす病気や症状はどんなものか」について、出来るだけわかりやすくお伝えしていこうと思います。

  

三尖弁閉鎖不全症の原因

まずは心臓の構造についてお話ししていこうと思います。
犬・猫に関わらず、動物の心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれています。大まかな血液の流れについて説明すると、
右心系:全身の血液 → 右心房 → 右心室 → 肺動脈 → 肺
             (三尖弁) (肺動脈弁)

左心系:肺 → 肺静脈 → 左心房 → 左心室 → 大動脈 → 全身の血液
               (僧帽弁) (大動脈弁)

となります。心臓の弁は各部屋をつなぐ扉の役割を果たすと同時に、血液の逆流を防ぐ役割があります。
心臓の弁が、正しいタイミングで、扉のようにしっかりと開閉することで、血液は正常に全身を循環していきます

三尖弁閉鎖不全症では、三尖弁がうまく閉じることが出来なくなることで、右心室から右心房へと血液の逆流が生じてしまう状態を言います。

三尖弁の開閉に異常が生じる原因として、三尖弁自体の異常があることはもちろんですが、左側の部屋にある僧帽弁で逆流が起こる僧帽弁閉鎖不全症による症状が進行することで右心系に影響を与え、三尖弁閉鎖不全症へとつながるケースも多いので注意が必要です。

また、犬のフィラリア症も右心系に影響を与える重要な原因となりますので、フィラリアの予防がしっかりと出来ているか、予防時期も含めしっかりと確認しておきましょう。

三尖弁閉鎖不全症の症状とは

右心系の血液循環は、まず全身の血液が心臓の右心房に入り、三尖弁を経て右心室に流れ、ここから肺に流入して二酸化炭素と酸素の交換を行い、その後左心系へと入っていきます。

そのため、三尖弁閉鎖不全症になると、右心房よりも手前の部分で血液の流れが滞るため、血液が全身の血管内で渋滞を起こす状態となります。

軽度の場合、無症状のことも多いですが、重症化した場合は、全身血液のうっ血や肺高血圧症(肺動脈圧が高まった状態)に伴う様々な症状や、食欲不振や下痢といった消化器症状や四肢のむくみ、お腹が異常に張る(腹水、肝腫大)、呼吸が苦しそう(胸水、肺水腫)といった症状が認められます。また、突然失神などを起こし、ビックリして来院されるケースもあるため、注意が必要です。

診断方法と治療方法

診断は、症状の問診や身体検査、聴診などの他、血液検査、レントゲンや心臓超音波検査といった画像診断などを組み合わせて、総合的に診断していきます。

治療は投薬による内科療法が主体になります。具体的には心臓の動きを強める強心薬や血管拡張薬、利尿薬、血圧降下剤など、個体の状態にあった薬を使用し、心臓の負担を減らし、血液が滞りなく全身を循環するよう調整します。  お薬だけでなく、ナトリウムを制限した食事に変更することも有効な治療となります。

腹水や胸水が溜まっている場合は必要に応じて注射針を刺して抜去します。
この処置は状態によって定期的に実施しなければならないこともあります。

予防法と飼い主様が気を付けるべき点

生まれつきの三尖弁の異常に関してはこれといった予防法がありませんが、その一方でフィラリア症が原因となって発症するケースは、フィラリア予防を確実に行うことで予防できます

また、できるだけ早期に発見し治療を行うことが鍵となりますので、動物病院での定期的な健康診断が大切です。

当院では“獣医学博士号・獣医循環器認定医”の吉行里依子先生による循環器専門外来を設け、専門的な循環器診療を行っております。
循環器専門外来は予約制となりますので、こちらのページからご予約の上ご来院ください。

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