千葉市、四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。
当院では8月より循環器専門外来を開設し、心臓病に関する情報発信や早期発見のための健診受診をおすすめするなどしております。
先月に、ワンちゃんに多い『僧帽弁閉鎖不全症』についてのブログを書きましたので、今回はネコちゃんの寿命に関わる病気のひとつ『肥大型心筋症』について、その原因や症状、治療方法などを詳しく解説したいと思います。
肥大型心筋症の原因
心筋症とは、心臓の筋肉である心筋に異常が出る病気です。心筋症のひとつである肥大型心筋症は、心筋の一部が異常に分厚くなることで、心臓が正常なポンプ機能を果たせなくなる病気です。
心筋に異常が出る原因自体は不明なことが多いものの、中高齢のオス猫に多いと言われています。アメリカン・ショートヘアやメインクーン、ラグドール、ペルシャなどの品種を含めた純血種での発生が多いため遺伝の関連も指摘されています。一方、病気の進行に年齢の影響は概ね関係なく、若年齢でも発症したり、重症化したりすることがあります。
肥大型心筋症の症状とは?
この病気では以下のような症状が認められることがありますが、まったく症状がないということも珍しくありません。
・元気がなくなる
・運動するとすぐ疲れる
・開口呼吸する
また、進行すると、肺に水が溜まったり、胸水が溜まったりすることで、呼吸困難になることがあります。
加えて、血液の滞留が起こることから血栓ができ、後ろ足に続く動脈に詰まることがあります。血栓ができると、猫が急に後ろ足を引きずったり、激しい痛みで鳴いたり、後ろ足が冷たくなるなどの症状がみられます。
診断方法と治療方法
肥大型心筋症の診断には問診や血液検査などと共に、エコー検査が重要です。
肥大型心筋症を根本的に治療する方法はないため、治療は進行を食い止めたり症状を緩和させたりする目的で行います。一般的には投薬による内科的な治療を行い、血栓ができている場合には、抗血栓薬を使用することもあります。
予防法と飼い主様が気を付けるべき点
肥大型心筋症を予防する明確な方法はありません。ただし、心臓に負担をかけないように肥満を防止することが大切です。
肥大型心筋症になった時の進行速度や余命は個体差が大きく、特に血栓ができた場合は救命が難しいことも少なくありません。反対に、症状のないごく初期の段階で治療を開始すると長期に渡ってコントロールが可能です。先述した通り病気の進行に年齢の影響は概ね関係ないため、年齢を問わず定期的に健康診断を受けて早期発見・早期治療につなげましょう。
まとめ
肥大型心筋症は、猫の突然死の原因にもなる恐ろしい病気です。しかし、早期発見することで猫が寿命を全うできるくらい長生きすることも珍しくありません。愛猫に1日でも長生きしてもらえるように、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
当院では“獣医学博士・獣医循環器認定医”の吉行里依子先生による循環器専門外来を設け、専門的な循環器診療を行っております。
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