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犬の心雑音って何?|心臓病を発見するための重要な手がかり

2024.5.29
ブログ

千葉市、四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。

心臓の病気は初期症状が現れにくいため、「気づいた時には病状が進行していたらどうしよう……」そんな不安を感じている飼い主様も多いのではないでしょうか。

しかし、心臓病の発見には、診察時に行う「聴診」が重要な役割を果たします。
聴診器を使って心臓の音を丁寧に聴くことで、わずかな異常も見逃さず、早期発見・早期治療へと繋げることが可能になります。

今回は犬の心雑音について、考えられる病気や、検査方法などを解説します。

 

心雑音とは?

心臓は日々、力強く鼓動を打ち、全身に大切な酸素と栄養を届けてくれます。しかしその小さな鼓動の中に、時にはSOSのサインが隠れていることがあります。

それが、「心雑音」と呼ばれる異常な血液の流れの音です。心臓が正常に働いている時には、「ドクッ・ドクッ」という心音以外聞こえませんが、血液の逆流など心臓にトラブルがあると、「ザザ」「ザー」といった雑音が混ざって聞こえてきます
雑音が強くなってくると、「スリル」といって、胸壁ごしにも雑音の振動が触れられるようになってきます。

愛犬を抱っこしていて、いつもと様子の違う心臓の拍動を触れることが出来るようなら、それはもしかしたら心雑音かもしれません。

心臓の仕組み

心臓は、左右対称に「心房」と「心室」の4つの部屋に分かれています。さらに、左右の部屋は「心房中隔」と「心室中隔」という壁で区切られています。各部屋の間には、血液の流れをコントロールする「弁」が存在します。

心臓は血液が一方向に流れるようになっています。
右心房から三尖弁を通って右心室へ、肺動脈弁を通って肺へ、肺静脈を通って左心房へ、僧帽弁を通って左心室へ、大動脈弁を通って全身へと、まるでバケツリレーのように血液を送り出しています。

このスムーズな流れを支えるのが、弁の役割です。弁はドアのように開閉し、血液が逆流しないようにしっかりと閉じ、必要な量だけを送り出します。この、弁がうまく機能しなくなると、血液の流れが乱れて心雑音が発生してしまうのです。

どんな病気が隠れているのか

犬の心臓病の中で、最も多く見られるのが僧帽弁閉鎖不全症です。この病気は中~高齢の小型犬で多く発症し、僧帽弁がうまく閉まらないことで、左心室から左心房へ血液が逆流し、左心房が大きくなってしまいます。
左心房は気管の下にあるため、大きくなった左心房が気管を刺激することで、症状として咳が現れます。また、全身に行く血液量が健康時よりも少なくなることで、疲れやすくなるなどの症状も現れます。

さらに悪化すると、肺に水がたまる肺水腫を起こし呼吸が苦しくなり、右の心臓にも負担がかかるようになってきます。

以下の病気でも心雑音が聞こえることがあります。

拡張型心筋症:大型犬に多く、心筋が薄くなり、ポンプ機能が低下する病気
心房中隔欠損:生まれつき左右心房の壁に穴がある病気
・その他:肺動脈弁狭窄症、大動脈弁狭窄症、肥厚性心筋症、三尖弁閉鎖不全症、動脈管開存症 など

検査方法

愛犬の定期的な予防接種やフィラリア検査の際に、心雑音が発見されることがあります。
しかし、心雑音が発見されたからといって、必ずしも心臓の病気が原因であるわけではありません。心雑音の種類や発生タイミング、聞こえる場所などを総合的に判断することで、異常の部位や原因を推測することができます。

心雑音が発見された場合は、以下の精密検査を行います。

レントゲン検査:心臓の大きさや形、肺の状態などを確認
心エコー検査:心臓の動きや弁膜の状態を詳細に観察
心電図検査心臓が鼓動を打つ際の微弱な電気信号を波形として記録
血液検査:心臓の病気に関与するホルモンや炎症物質などを測定
血圧検査:血圧の高低を確認

治療方法

治療は病気の種類とその重症度によって異なりますが、根本的な治療ではなく、進行を抑制し、今よりも状態を悪化させないことが治療の目標となります。

主な治療は、心臓の動きを助け、負担を軽減する薬の投与です。しかし、症状や心臓の重症度に合わせて処方されるお薬も変わってきます。

近年、獣医療技術の進歩により、心疾患の手術療法も選択肢の一つとなりました。しかし、高度な技術と設備が必要なため、限られた動物病院でのみ実施されています。

まとめ

心雑音は心臓の病気を発見するためにとても重要な手がかりになります。そして早期発見が大事ですので、1年に1回の予防でも動物病院へ行く機会を増やし、定期的健康診断を受けましょう

当院では“獣医学博士・獣医循環器認定医”をチームに迎え、心臓病で苦しむワンちゃん・ネコちゃん、そのご家族のための循環器外来を設けております。

循環器外来は予約制となりますので、こちらのページからご予約の上ご来院ください。

 

■当院の心臓病に関連する病気はこちらで解説しています。
心臓病治療を始めてみると

犬の僧帽弁閉鎖不全症について|初期症状がわかりにくい心臓の病気
犬の三尖弁閉鎖不全症とは?|原因や症状をわかりやすく解説
猫の肥大型心筋症について|原因や症状、治療方法などを解説
犬と猫の肺高血圧症について|心疾患のある高齢の犬や猫は要注意
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