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犬と猫の血液検査について|健康状態の把握に不可欠な検査

2024.6.27
ブログ

千葉市、四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。

血液検査は、人間と同じように犬や猫にとっても重要で一般的な検査です。
血液からは多くの情報を得ることができるので、採血によって体の状態を詳細に確認することができます。例えば、貧血の有無、肝臓や腎臓の機能、電解質バランス、炎症の有無などがわかります。

今回は、犬や猫の血液検査について詳しく解説していきます。

 

血液検査とは

血液検査は基本的かつ重要な検査です。この検査を通じて、さまざまな体の状態を把握することができます。

採取した血液を特殊な機械で解析し、血球数や酵素の値、血糖値、電解質濃度などを測定します。
これらの測定結果は数値として示され、それぞれの項目には「正常範囲」が定められています。この範囲内であれば健康状態が良好とされ、範囲を外れた場合には異常があると判断されます。

血液検査の方法

まず血管から採血を行い、血が固まりにくくなる特殊な成分でコーティングされた採血管に素早く入れます。採血管には、測定したい成分に応じてさまざまな種類があります。
一般的によく使用されている採血管は2タイプあります。

・EDTA管:血球成分(赤血球や白血球など)を測定
・ヘパリン管:生化学検査に使用

ヘパリン管は、血球成分(赤血球、白血球、血小板)を除いた血漿(けっしょう:血液を構成する成分の1つ)と呼ばれる液体成分を得るために使用します。
そして血球成分や血漿を測定する特殊な機械にセットし、測定を行います。

ほとんどの血液検査項目はすぐに測定結果が出ますが、特殊な検査や特別な機械が必要な項目もあり、その場合は検査機関に送る必要があります。そのため、結果が出るまで1〜2週間かかることもあります。

検査項目

血液検査で測定する項目は、検査したい臓器や状態によって異なります。ここでは、一般的に行われる検査項目をご紹介します。

赤血球:酸素を運ぶ細胞で、貧血の有無を確認します。
白血球:免疫システムの一部で、感染症や炎症の有無を確認します。
血小板:血を固めるために必要な細胞です。
総タンパク質(TP):体内のタンパク質の総量を示し、栄養状態を評価します。
アルブミン(Alb):肝臓で作られるタンパク質で、栄養状態や肝臓の機能を評価します。
尿素窒素(BUN):腎臓のマーカーであり、脱水や出血の影響も受けます。
クレアチニン(Cre):腎臓のマーカーで、筋肉の状態も影響します。
アルカリフォスファターゼ(ALP):肝臓のマーカーです。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT):肝臓のマーカーです。
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST):肝臓のマーカーです。
電解質:ナトリウム(Na)、カリウム(K)、Cl(クロール)などを測定します。

これらの項目を組み合わせて総合的に評価し、健康状態を判断します。

※上記は一般的な検査項目のみです。その他にも、診たい状態に合わせて多くの項目を調べることができます。

心臓病の検査で有効なバイオマーカー

血液検査を通じて、心臓の健康状態を把握するためのバイオマーカーもいくつか存在します。
ここでは、一般的に使用される心臓のバイオマーカーをご紹介します。

NT-Pro BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)
BNPは血管を拡張させ、尿を出しやすくするホルモンです。心臓に負担がかかると、BNPの分泌が増え、負担を軽減しようとします。

この仕組みを利用して、BNPの副産物であるNT-Pro BNPを測定します。NT-Pro BNPの値が増加している場合、心臓に負担がかかっていることを示します。

高感度心筋トロポニンl
トロポニンIは心臓の収縮に必要なタンパク質です。心筋の損傷があると、トロポニンIの値が増加するため、心筋障害のマーカーとして利用されます。

飼い主さま提供お写真(かぶきちゃんと千寿ちゃん)

まとめ

血液検査は一般的に行われるベーシックな検査ですが、その結果から多くの情報を得ることができます。さらに、経時的な変化を追うことで、治療の効果を判断するのにも有用です。
しかし、血液検査だけで判断するのではなく、他の検査や飼い主様のお話、症状も総合的に評価することが大切です。

当院では「獣医学博士・獣医循環器認定医」をチームに迎え、心臓病で苦しむ愛犬や愛猫のための循環器外来を設けております。
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