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愛犬の心臓病を早期発見!|初期症状と予防法について

2024.7.26
ブログ

千葉市、四街道市にお住いのみなさま、ブログを楽しみにしてくださっているみなさま、こんにちは。

心臓病は命に関わる深刻な病気であり、放置すると症状が進行してしまうことがあるため、早期発見がとても大切です。

心臓病の初期症状は見逃されやすく、咳や運動を嫌がるなどの軽い症状として現れることが多いです。これらの症状を見逃さないためにも、普段から愛犬の様子を注意深く観察することが必要です。

今回は、犬の心臓病の種類やおうちで気をつけていただきたいことを解説します。

犬の僧帽弁閉鎖不全症についてはこちらで解説しています

 

犬の心臓病の種類

心臓病と言っても、実際にはさまざまな種類があります。ここでは、犬によく見られる代表的な心臓病についてご紹介します。

<僧帽弁閉鎖不全症>
僧帽弁閉鎖不全症は、犬で最も多い後天性の心臓病です。この病気は、左心房と左心室の間にある僧帽弁が正常に閉じなくなることで、血液が逆流し、心臓に過度な負担がかかる状態を引き起こします。初期には咳や疲れやすさなどの症状が見られますが、進行すると呼吸困難や失神、胚水腫などの症状が現れることがあります。

遺伝的な要素と加齢が原因で起こることが多く、特にキャバリア、トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬の中高齢期に多く見られます。
犬の僧帽弁閉鎖不全症についてはこちらで解説しています

<三尖弁閉鎖不全症>
三尖弁閉鎖不全症は、右心房と右心室の間にある三尖弁が正常に閉じなくなる病気です。この結果、血液が逆流して心臓に負担がかかります。症状としては、腹水や体重減少、食欲不振が見られます。
病態が悪化すると肺高血圧症と呼ばれる状態となり、失神や咳などが見られます。

原因には、僧帽弁閉鎖不全症の悪化や心内膜炎、犬糸状虫症(フィラリア症)などがある他、クッシング症候群などのホルモン性疾患が関与していることもあります
犬の三尖弁閉鎖不全症についてはこちらで解説しています

<拡張型心筋症>
拡張型心筋症は、心臓の筋肉に異常が生じ、心筋が拡張して薄くなり、心臓の機能が低下する病気です。この病気は、運動不耐性や呼吸困難、失神などの症状を引き起こします。

原因としては、タウリンの欠乏や遺伝性が考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。

<心室中隔欠損症>
心室中隔欠損症は、先天性(生まれつき)の心臓病で、右心室と左心室を隔てる壁に穴が開いている病気です。この穴を通じて酸素が豊富な血液と酸素が少ない血液が混ざり合い、心臓に余分な負担がかかります。

<動脈管開存症>
動脈管開存症は先天性の心臓病で、本来なら生後間もなく閉じるはずの肺動脈と大動脈をつなぐ血管が閉じないことで起こります。この結果、血液が異常な経路を通って流れ、心臓に負担をかけてしまいます。

<肺動脈狭窄症>
肺動脈狭窄症は先天性の心臓病で、心臓から肺へ血液を送り出す肺動脈が狭くなる病気です。このため、心臓に過度な負担がかかり、左心室が肥大してしまいます。

<大動脈狭窄症>
大動脈狭窄症は先天性の心臓病で、心臓から全身に血液を送り出す大動脈が狭くなる病気です。このため、左心室に過度な負担がかかり、心筋が肥大します。

<ファロー四徴症>
ファロー四徴症は先天性の心臓病で、心室中隔欠損症、肺動脈狭窄症、右心室肥大、大動脈右方騎乗、の4つの奇形が併発している状態のことです。

心臓病の症状

心臓病は早期発見が非常に重要です。愛犬に見られる初期症状を理解し、早めに対処することで、進行を防ぎ、健康な状態を維持することができます。

先天性の心臓病では、生まれてすぐに重篤な症状が現れることもあれば、全く症状が見られない場合もあります。
一方、後天性の心臓病は初めのうちは無症状で進行することがあるため、普段の様子だけで早期発見するのは難しいかもしれません。


心臓病の初期症状で最もよく見られるのが咳です。特に夜間や運動後に咳が増えることがあります。
心臓病の初期に咳が見られるのは、逆流した血液が左心房に溜まり、その上に位置する気管を圧迫するためです。

呼吸困難
愛犬が苦しそうな呼吸する場合、心臓病のサインかもしれません。呼吸が早くなったり浅くなったりすることがあり、特に運動後や興奮したときにこの症状が現れることが多いです。

運動不耐性
運動不耐性は、心臓が十分な血液を全身に送り出せないために起こります。以前は元気に走り回っていた愛犬が、急に運動を嫌がったり、疲れやすくなったりする場合は注意が必要です。軽い運動でも息切れするようになった場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

食欲不振
心臓病が進行すると体全体の機能が低下し、食欲にも影響が出ることがあります。普段の食事量が減ったり、全く食べなくなったりする場合は、心臓病の可能性を考えましょう。
食欲不振は他の病気と関連している可能性があるため、症状が認められたら早めに動物病院に相談しましょう。

体重減少
食欲不振に伴い、体重が減少することもあります。愛犬の体重が急激に減少した場合は、心臓病を含む全身的な健康状態のチェックが必要です。

失神
心臓が十分な血液を脳に送れないために、失神や倒れるような症状が現れる場合があります。

腹水
腹部に液体が溜まり、お腹が膨らんで見える場合は、心臓病が進行しているかもしれません。これは右心不全によって体内の液体バランスが崩れるために起こります。

犬の心臓病の診断方法

心臓病の初期症状が見られた場合、早期の診断が非常に重要です。以下は、動物病院で行われる主要な診断方法です。

聴診
心臓病では、血液の逆流が起こっている場所で心雑音が聴こえることがあります。聴診は心臓病の基本的な検査ですが、心臓病でなくても心雑音が聞こえることがまれにあります。また、心雑音の程度と心臓病の進行度は必ずしも一致しません。
心雑音が聞こえた場合、心臓病が疑われるため、診断のためにレントゲンや心エコーなどの検査を行います。

レントゲン検査
心臓の大きさや形、気管の状態、胸水の有無などを確認します。心臓が拡大している場合や、肺に液体が溜まっている場合は心臓病が疑われます。レントゲン画像は、心臓病の進行度を評価する上でも非常に有用です。

心エコー検査(超音波検査)
超音波を使って心臓の動きや血流を観察できるため、レントゲン検査と組み合わせることで、より詳細な情報を得ることができます。

心電図検査
心臓の電気的活動を記録し、不整脈や異常な心拍を検出します。

血圧検査

血液検査
全身状態の評価のために実施します。また、心臓バイオマーカーの計測によって、血液検査からも心臓への負担の程度も評価することが出来ます
また、治療中の場合は薬の副作用がないかどうかもチェックします。

おうちで気を付けていただきたいこと

心臓病の多くは初期に症状が現れません
中高齢で発症しても、最初は少し元気がない程度で「歳のせいかな……」と見過ごされがちで、治療をしないままでいると徐々に進行し、重症化して突然死に至ることもあります。

また、犬の心臓病は完治が難しいため、治療の目的は心臓の負担を軽くし進行を抑えることです。そのため、早期発見と早期治療が非常に重要です。心雑音などの異常を指摘された際は見た目が元気でも、心エコーやレントゲンといった検査を受けましょう。

さらに、適切な食事や運動管理、ストレス管理に加えて、歯周病予防のためのデンタルケアも大切です。
実は、歯周病菌が心臓病の原因になることもあり、歯の健康は心臓の健康にも関係しています。

まとめ

どの心臓病も一見無症状のまま進行し、気づいた時にはかなり重篤になっており、突然死亡しまうこともある恐ろしい病気です。
心臓病の治療には早期発見と適切な時期での治療開始が重要となりますが、心臓病は初期に目立った症状が現れないことも多く、普段の様子だけでは早期発見が難しいため、動物病院での定期健診も重要です。
特にキャバリアやチワワなどの小型犬の中高齢期に多く見られるため、これらの犬種と暮らしている飼い主様には、定期的な心臓の検査をおすすめします。

当院では2023年8月より「獣医学博士・獣医循環器認定医」をチームに迎え、心臓病で苦しむ愛犬や愛猫のための循環器外来を設けております。循環器外来は予約制となりますので、下記のページからご予約の上ご来院ください。

東千葉いこい動物病院の循環器外来について

 

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心臓病治療を始めてみると
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「呼吸が苦しそう」どんな病気が考えられる?
犬と猫の肺高血圧症について|心疾患のある高齢の犬や猫は要注意
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